下向けば実生の芽
一つまた一つ
何時か颯爽金風に舞ふ


 家内と近くにある六義園にツツジの花を見に行った。芝生にまた実生の芽を見つけた。

 別科の学生に後楽園の吟行会をやった時、それは落葉ではなく、立派な芽であることを初めて知った。

 その実生の苗を摘んで、家の庭に埋めれば、樹になるとも教わった。それなら、後楽園には樹だらけになるのではないかとちょっと気になる。

 皆それを摘んで家に持ち帰るか、それとも、庭師がとってしまうか。あるいは、大自然を主宰する神様は選別しているのか。

 また公園に行って、誰かに聞いてみよう。


 この前、ある先生から綺麗な雲の映っている葉書をいただいた。

 「望浮雲煩悩皆消」

 芝生に健気に根を出している未来の樹を見て、つくづく思った。

 
「看脚下風光無限」